とんぼ玉
― この風変わりな名前をもつ小さな玉のことを、ご存知でしょうか。
とんぼ玉とは、簡単に言うと、色文様のついたガラス玉で、紐を通す孔のあいた装飾玉のことです。
もともとは、表面に円文様をあしらった、とんぼの眼を思わせるガラス玉のことを、江戸中期頃から「とんぼ玉」と呼んでいました。
現在は、紐通し孔の開いたガラス玉類を総じて「とんぼ玉」と呼んでいます。
これは日本独特の名称で、他の国では対応する呼び名はないようです。
欧米ではglass beadsの中に含まれます。
とんぼ玉の歴史は古代までさかのぼり、メソポタミアでは古代バビロニア王国で紀元前16世紀頃から、エジプトでは新王国で紀元前15世紀頃から、ガラス製の玉が作られるようになりました。
そして、現在まで3500年にわたり、世界各地で多種多様なとんぼ玉が作られ、多くの人々を魅了し続けています。
いにしえの人々が精魂込めて作り 愛でた 美しいとんぼ玉
“時”という装飾により、より趣を増した小さな玉の歴史に想いを馳せ、とんぼ玉の世界をお楽しみください。