4世紀末のローマ帝国崩壊(東西分裂)とともに、その地域のガラス工芸も衰退しました。地中海東岸域からアレキサンドリアにかけてのガラス制作はしばらく続きますが、それらもやがて衰退してしまいます。
代わって、ローマン・グラスの技術を引き継いだのがイスラム世界でした。
アッバース朝(750-1258)等のイスラム世界でつくられたトンボ玉は、北はスラヴ世界からスカンジナヴィアにかけて、交易により伝えられていきました。南は、東南アジアまで伝えられていたと推測されています(同時代のタイやマレーシアの遺跡から同種のトンボ玉が出土しています)。