~とんぼ玉~ Ancient & Antique Glass Beads

古代から近代のアンティークのとんぼ玉をご紹介します

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イスラム

4世紀末のローマ帝国崩壊(東西分裂)とともに、その地域のガラス工芸も衰退しました。地中海東岸域からアレキサンドリアにかけてのガラス制作はしばらく続きますが、それらもやがて衰退してしまいます。

代わって、ローマン・グラスの技術を引き継いだのがイスラム世界でした。

アッバース朝(750-1258)等のイスラム世界でつくられたトンボ玉は、北はスラヴ世界からスカンジナヴィアにかけて、交易により伝えられていきました。南は、東南アジアまで伝えられていたと推測されています(同時代のタイやマレーシアの遺跡から同種のトンボ玉が出土しています)。

貼付帯玉(管玉) Islam, Wound glass with dragged trails 貼付帯玉(管玉) イスラム

Islam, 6th-10th century AD
Wound glass with dragged trails

Length: 1.8cm Diameter: 1.1cm

数少ない管型。
ターコイズブルーとイエローのモチーフが鮮やか。


イスラム水玉文貼付玉 Islam, Wound glass with marvered crumb decoration 水玉文貼付玉

Islam, 7th-13th century AD
Wound glass with marvered crumb decoration

Hight: 2.3cm Diameter: 2.2cm

芯巻きの胎に多色の色ガラス片を溶融し、熱いうちに平板の上で転がし馴染ませ、成型したもの。
ローマ時代(1-4世紀)や同時期(1-4世紀)のイスラム玉でも同様のモチーフが見られます。


襟付き玉 Islam, Wound glass with stratified eyes襟付き玉 Islam, Wound glass with stratified eyes 襟付き玉 イスラム

Islam, ca. 5th century AD
Wound glass with stratified eyes, sleeved with dark red glass

イスラム初期、珍しい襟付き玉。
黒の胎に白・黒と白・渋赤の眼紋様が施され、上部に赤褐色の襟が付いています。


モザイク嵌眼玉(水滴型) Islam, Wound glass with mosaic glass insetモザイク嵌眼玉(水滴型) Islam, Wound glass with mosaic glass inset モザイク嵌眼玉(水滴型) イスラム

Islam, 9th-10th century AD
Wound glass with mosaic glass inset

Hight: 2.1cm Diameter: 1.2cm

表と裏で異なるモチーフが象嵌されています。


* イスラム時代 Islamic Period
中近東からアフリカ、中央アジア、インドに及んだイスラム世界の拡大・繁栄の時代。7-16世紀頃。
* イスラム帝国
一般に、ムハンマド(マホメッド)の後継の正統カリフ時代(632-661)とそれに続くウマイヤ朝(Umayyad 661-750)、アッバース朝(ʿAbbāsid 750-1258)をいう。
狭義には、イスラムの理念が国家と社会に確立したアッバース朝を「イスラム帝国」、それ以前の正統カリフ時代からウマイヤ朝(少数のアラブ支配階級により統治されていた時代)を「アラブ帝国」と呼び区別する。

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